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新着情報

ニュースレター「ひとりから、長崎から」第21号(2026.5.30)を配信しました

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編集室水平線のニュースレター「ひとりから、長崎から」第21号(2026.5.30)
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こんにちは。編集室水平線の西浩孝です。
ニュースレター「ひとりから、長崎から」第21号をお届けします。

わたしは2020年4月に「いま『言わねばならないこと』を言う」「続・いま
『言わねばならないこと』を言う」「【檄文】編集室水平線は現政権の一刻も
早い打倒を目指します」という三つの文章を書いて発表したのですが(ここで
いう「現政権」とは、当時の安倍政権を指します)、いま高市政権に対して同
様の批判文を書く必要を感じています。

なお、「言わねばならないこと」というのは、ジャーナリスト桐生悠々(1873-
1941)の「言いたい事と言わねばならない事と」を踏まえたものです。一読を
おすすめします。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000535/files/3612_20811.html

(このレターは、PCで読まれることを想定しているので、スマートフォンでは
読みにくいかもしれません。あらかじめご了承ください。)

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【新着情報】西尾漠『極私的原子力用語辞典』、6月下旬発売! など
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じつに1年半年ぶりに新刊を出します!

西尾漠『極私的原子力用語辞典』(四六判/並製/368頁/定価[本体3,200円
+税])です!

西尾さんは、原子力資料情報室共同代表で『はんげんぱつ新聞』副編集長。原
発問題にかかわって50年です。

本書の収録項目は、「IAEA」「核武装」「原子力ルネサンス」「トイレのない
マンション」「中曽根札束予算」「ビキニ事件」「風評被害」「メルトダウン」
「六ヶ所核燃料サイクル施設」等々、なんと100以上。類例のない「読む辞典」
です。

ネットにも各種論文にも出てこない情報ばかりが載っています。
水平線のサイトで本文の最初のほうを公開しています。ぜひご覧ください。
https://suiheisen2017.jp/product/4339/

6月20日頃より順次、全国の書店に並びます。水平線のネットショップからも
ご購入いただけます。

よろしくお願いいたします!

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伊藤明彦『未来からの遺言 ある被爆者体験の伝記』を原案とするドラマ、
『八月の声を運ぶ男』(昨年8月NHKにて放送)が第34回「橋田賞」を受
賞しました!

受賞理由は、「被爆者の証言に真摯に向き合い、その声を録音し続けたジャー
ナリストの実話をもとに、戦後80年ドラマとして制作された秀逸な作品。被爆
体験、そして戦争の記憶を継承していくことの意味と人間の尊厳のあり方を静
かに問いかけた」。

▼橋田賞について
https://hashida.or.jp/about/#about_award

▼『未来からの遺言』(『シナリオ 被爆太郎伝説』を併録)の内容紹介
https://suiheisen2017.jp/product/3763/

シリーズ「伊藤明彦の仕事」(全6巻)の第2巻は『原子野の「ヨブ記」 か
つて核戦争があった』(初版は径書房、1993年)です。こちらもすごい本です
が、刊行まではまだ時間がかかります。お待ちください!

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オンラインマガジン『雨晴』を、ぼつぼつ更新しています。
この間に公開したのは、以下のとおりです。

●亀山亮『戦争』
第20回「大量殺人とアマチュア」
https://suiheisen2017.com/kameyama-ryo/3759/
●諸屋超子『くたばれ』
第20回「スクラッチ」
https://suiheisen2017.com/moroya-choko/3769/
●姜湖宙『ストライク・ジャム』
第21回「チィコ・ラプソディー」
https://suiheisen2017.com/kang-hoju/3776/

オンラインマガジン『雨晴』は、アプリ「編集室 水平線」内で公開しています。
以下のページから、お手持ちのスマートフォンやタブレットに、インストール
をお願いします。
https://suiheisen2017.jp/appli/

『雨晴』はsuiheisen2017.comでも読むことができますが、アプリを入れると、
毎回プッシュ通知で更新情報が届きますので、おすすめです。

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【作業日誌+α】2026年4月〜2026年5月
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●4月2日(木)
晴れ。らい予防法廃止30年。朝、『極私的原子力用語辞典』の束見本が届く。
がんだれ仕様。いい感じ。田所太郎『戦後出版の系譜』(エディター叢書11、
日本エディタースクール出版部、1976)を手にいれる。

●4月5日(日)
4時半起床。ゲラ。索引をもう一回しつこく見直す。昼、リンガーハットでや
わらか太めん皿うどん(大盛り)。長崎県美術館「生誕100年 山下清展 百年
目の大回想」(最終日)に行くも、受付に大行列で観るのをあきらめる。買い
物をして帰り、子どもとNintendo Switch 2で遊ぶ。夜、NHKスペシャル『富士
山大噴火 迫る“灰色の悪夢”』(前編)。

●4月7日(火)
晴れ。1週間遅れでニュースレターを配信。昼、冷凍かき揚げうどん。『そっ
ちやない、こっちや 映画監督・柳澤壽男の世界』(岡田秀則+浦辻宏昌編著、
新宿書房、2018)についての問い合わせがあり、引っ張り出してきて読む。鈴
木一誌さんたちとの協働により、このとき初めて本作りにおける「チームワー
ク」とはどういうものかを知った。詩人の清水あすかさんから『空の広場(カ
ラノヒロバ)』48号。

●4月10日(金)
『裸足で逃げる』(ちくま文庫)刊行記念、上間陽子×信田さよ子トークイベ
ント「十年後の『裸足で逃げる』」(代官山蔦屋書店、2026年2月25日)を
やっと観ようと思ったら、とっくにアーカイブ配信が終わっていた。山田和寛
×高橋武男「本の『声』を、どうかたちにするのか?——思想を翻訳するブッ
クデザインの舞台裏」(『地元人 創刊号:兵庫加東』スタブロブックス、内
閣府地方創生推進事務局長賞受賞記念)は生き残っていたので、こっちを視聴。
今年の「本屋大賞」は朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞
出版)。佐藤正午さんの『熟柿』(KADOKAWA)は2位で惜しかった。

●4月14日(火)
Fishmans『Aloha Polydor』。design POOLの北里さんから『極私的─』の再校で
入れた赤字がページから1行はみ出したとの連絡があり、すぐに該当箇所を検
討して削り返送する。朝から疲労。コーヒーをいれてNPO法人「被爆者の声」
関係の書類書きに取り組む。昼、焼うどん。午後も書類書き。なかなか仕上が
らずイライラする。いったん休憩後、亀山亮さんの写真集(仮組み)をPDFで
はなく印刷したもので確認。原寸で見ると迫力がぜんぜん違う。

●4月16日(木)
16時、外出。バス停のところで、みおちゃんとばったり会う。浜町アーケード
のドトール。斜め後ろの年配女性5人がしきりに夢彩都の良さについて語って
いたので、自分の中でも評価が上がる。18時、万屋町の居酒屋で「言論ながさ
き」のみなさんと飲み会。食べ残し飲み残しは一皿一杯100円の罰金制だった
のでがんばる。その後カラオケに流れる。「西さんも一曲どうね?」と言われ、
「世界に一つだけの花」と「SAY YES」を熱唱。関口達夫さんから「レコード
大賞新人賞」を頂いた。

●4月20日(月)
夢。ロイヤルホスト立て籠り事件。犯行を手伝う。9時半から仕事。西尾漠さん
に『極私的─』の三校PDFを送る。放置していたJANコードの更新書類。年間
売上額を記入するのがつらい。その他の事務処理も済ませ、亀山さんの写真集
の原稿整理。昼、NHKラジオをつけたら今日3回めのラジオ体操。新年度の番
組編成改定のせい。これは改悪。午後、Amazonから注文あり。請け負いの校正
仕事に取りかかる。ガザ、戦争開始以降の2年強で女性3万8000人が死亡(少
女含む)。ひざ痛。

●4月23日(木)
雨。請け負いの校正仕事を続ける。グラフ多数。足し算につぐ足し算。一番や
りたくない作業だが、かなりの確率で間違いがあるので仕方なし。午後、Mさ
ん宅へ。Sさんと3人で編集会議。出されたお菓子がうまくて手がとまらない。
約1時間で終了。帰りのバスでランドセルを背負った小学校低学年くらいの男
児が席に座らずにいたので、「ここ空いてるよ」と肩を叩くと、「いいえ、わ
ざとここに立っているんで」と返され、ちょっとハートが傷つく。くそがき。
デイリーヤマザキでアイスを買った。

●4月27日(月)
発熱、寒気、喉痛。ひさしぶりに風邪をひいた。寝るしかないので寝ながらラ
ジオを聴いていたら、「くるまたかし」のCMが新しくなっていて、好きだっ
た「たかし」の台詞、「得したお金で焼肉お願いしまーす」が無くなっていた。
ショック。夕方まで熟睡。汗だく。入浴。夜、実家から送られてきたホタルイ
カを食べる。これこれ。ニュースで祖父江慎さんが亡くなったことを知る。66
歳。つらい。

●4月28日(土)
風邪から復活。午前、北里さんに電話。『極私的─』の装丁を確定。毎日新聞
のHさんから電話。昼、辛ラーメン。午後、外出。チトセピアのパン屋で100%
グレープジュースを飲みながら病院までの時間をつぶす。診察。薬局。帰り、住
吉のカフェでコーヒーを飲みながら、店に置いてあった『トーキングロック』
2019年3月号、あいみょんのインタビュー記事を読む。隣で五十がらみの男が
うまそうに煙草を吸っていた。バスを降りた後、デイリーヤマザキでアイスを
買う。児島青の『本なら売るほど』(ハルタコミックス、KADOKAWA)が手
塚治虫賞を受賞してうれしい。

●4月30日(木)
朝、聴き逃しで『坂本美雨のディア・フレンズ』。ゲスト囲碁将棋。Dragon Ash
の「Grateful Days」をネタにした漫才に笑った(世代を選ぶ)。昼すぎ、『極私
的─』の新刊案内をJRCとTRCに送付。15時〜17時、新原道信先生とオンラ
インで話す。

●5月1日(金)
『極私的─』の表紙・帯の校正終了。北里さんからモリモト印刷にデータを入
稿してもらう。連休前に済ませることができて良かった。注文していた東京都
写真美術館「W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代」展の図録が
届く。

●5月8日(金)
森元斎さん来たる!

●5月13日(水)
9時半、車で北九州市へ出発。サービスエリアでの休憩・昼食を挟んで、13時
半に黒崎の「コンフォートホテル」に到着。コンビニで福岡県の道路地図を買
い、小倉のスーパー「ロピア」でポレポレ坐の中植きさらさんと写真家の小原
佐和子さんと合流。食料を買い、その後トラブルが発生するも、恵比寿屋の藤
井礼さん・大矢伸子さんともなんとか合流。若松の「樹の実工房」に乗り込む。
版画家の山福朱実さんを囲んで宴会。途中でギタリストの末森樹さん現る。門
司の「カジタ兄」も現る。猫のプリンが背中をバンバンと延々と叩かれて恍惚
としていた。普通は撫でられて喜ぶはずだが? ホテルに帰り、寝るまでバン
バンの耳鳴りがやまない。

●5月14日(木)
9時半、上野朱さん宅。本当は10時集合だったが、朱さんを独り占めしたいの
で、早く行った。「筑豊文庫」で使われていた机を生で見て感激する。朱さん
お手製のロールケーキをいただきながら歓談。その後、昨日のメンバーで蕨狩
り。山にはボタがたくさん落ちていたので、記念に一つポケットへ。大きな坑
口も残っていた。山を奥へ奥へと進んでいくと蕨がわんさか。キクラゲも少し
採れた。昼は「英ちゃんうどん」へ。英信さんは天かすをこれでもかと入れて
食べるのが好きだったらしい。お腹を満たして、福津市の「うらんたん文庫」
へ移動。山福さんの個展「Pandereta II」。77個の版画タンバリンが壁一面に。
どれか買おうと思って、迷いに迷ったすえ、「あたいのお酒」というかわいい
作品に決める。会場には映画監督の厨子翔平さん(初対面)もいたので挨拶。
水平線のインスタグラムをフォローしてくれた。しばらく居て、一人だけ先に
おいとまする。高速を走って21時ごろに家に着いた。

●5月15日(金)
晴れ。午前、『極私的─』の色校確認。まったく問題なし。午後、本文もつい
に校了。そして森元斎さん来たる!

●5月18日(月)
暑い。9時半、長崎北病院。4月頭からのひざ痛が治らないのでMRI検査。着
替えて台に仰向けになり、ヘッドホンを付けられる。轟音。約30分。生まれて
初めてで、少し怖かった。帰宅後、早めの昼ごはん。えびピラフ(冷凍)。姜
湖宙さんの原稿を読む。返信。亀山さんの写真集キャプションの確認作業。ず
いぶんと日が長くなった。19時でもまだ明るい。

●5月21日(木)
2011年4月11日深夜、東京電力福島第一原子力発電所の事故から1か月後、
東北の小さな村で、100年余を生きた一人の男がみずから命を絶った──「ち
いっと長く生きすぎたなあ。イヤなものを見ちまった」。青木理『百年の挽歌
原発、戦争、美しい村』(集英社、2026)より。

●5月25日(月)
用事があり街へ。終わったあと、「ほんだらけ」銅座店。以下、購入したもの。
関楠生『人と思想 「白バラ」 反ナチ抵抗運動の学生たち』、埴谷雄高『闇の
なかの黒い馬』『幻視者宣言 映画・音楽・文学』、高史明・岡百合子編『岡
真史詩集 ぼくは12歳』(単行本版)、パウル・ツェラン『雪の区域(パート)』
(飯吉光夫訳)、『エピステーメー12月号 特集=時間』、梅棹忠夫『夜はまだ
あけぬか』、『原爆被爆記録写真集』。まずまずの収穫。

●5月28日(木)
問い合わせフォームからメールが届く。「こんにちは。私はマッケンジー・ス
コットと申します。アマゾンのCEO兼創業者であるジェフ・ベゾスの元妻です。
あなたに助成金を贈呈いたします。あなたは幸運な当選者の一人です。あなた
には1億800万ドルの助成金を贈呈いたします。ご興味がおありでしたら、詳
細についてご連絡ください」。興味あるに決まってんだろ!

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【海岸線-19】カラオケ
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ああ、そうだった──忘れたころにやってくる、飲み会後のカラオケのお誘い。

「歌わなくてもいいから。ね?」。というのは、ほぼウソである。箱に入った
が最後。「せっかくだから1曲。ね?」。ということになる。

「カラハラ」という言葉があるそうだが、上記はそういう深刻な事態を指して
いるのではない。歌っているひとが楽しくなっちゃって、こちらもまあ楽しん
でいる状況でのことである。

というわけで、「じゃあ1曲」。

なにを歌うか。いまひとり歌っている。あとの予約は1曲のみ。だいたいそん
なタイミングである。

頭をフル回転させる。ここに集っているのはだれか。大先輩だ。平均年齢75歳
だ。

ここまで歌われた曲はなんだ? ヤザワだ。ジュリーだ。「長崎物語」だ。「ヨ
イトマケの唄」だ。くそう、手も足も出ない。

時間が迫ってくる。うう。みなさんこれは知ってるんじゃないか。「世界に一
つだけの花」。

「花屋の店先に並んだ〜♪」

ちくしょう、反応が薄めだ。しかし最後まで行くしかない。

「もともと特別なOnly one〜♪」

以来、わたしはつぎの機会のために、携帯にメモをしている。

中島みゆき「時代」(1975年)、ピンク・レディー「UFO」(1977年)、西城
秀樹「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」(1979年)……

まあ、嫌いじゃないんでしょうね、カラオケ。

(おわり)

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【本棚の本】祖父江慎『朝のデザインさん』『夜のデザインさん』ほか
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●祖父江慎『朝のデザインさん』『夜のデザインさん』パイ インターナショナ
ル、2026年

●小原佐和子写真集『神の真庭』蒼穹舎、2018年

●アルフォンソ・リンギス『何も共有していない者たちの共同体』訳=野谷啓
二、解説=堀田義太郎・田崎英明、洛北出版、2006年

●新原道信編著『人間と社会のうごきに出会う 社会学的探求』ミネルヴァ書房、
2026年

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【『雨晴』から】
姜湖宙 『ストライク・ジャム』 第21回「チィコ・ラプソディー」
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巻き爪のひどいチィコ(十七歳)を捕まえようとして、大けがをした。両手に
大判の絆創膏を何枚も貼り、深夜のマクドナルドで産業翻訳の続きをしている。
マクドナルドがイスラエル支援企業だと知りながらも、郊外の我が家の近所に
は国道沿いのマクドナルドのほかにコーヒーが飲める場所はない。いそがしく
フライドポテトを揚げ、デリバリー用のドリンクを詰めている店員たち。年季
の入った店舗。

チィコは元夫の行きつけの飲み屋のママからもらった。春の季節、自転車で夫
と並んで疎水沿いを走った。じっとりと汗ばむ天気に、緑色の柳がゆたかに揺
れていた。柳は嫌いだった、元夫の前妻の名前にその文字が入っていたから。

チィコはすでにケージに捕らえられていた。なるべく揺れないようにケージを
持ち、片手でハンドルを握って、また国道沿いを通って家まで帰った。そのか
ん、チィコは、にゃあ、にゃあ、と助けを求めて鳴いていた。

ケージを開けるとチィコは本棚と壁の十五センチほどの隙間奥深くに入り、飲
まず食わずでなんと三日間そこから出て来なかった。臆病だが頑固な猫だった
のだ。

一番ちいさかってん、だからチィコ。わたしが兄弟の子らを連れて帰る時、こ
の子だけどっか行っててな、気がつかなかってん。それでずっと気がかりでな…。

ママは何杯目かのビールを注いだ。エスカルゴをパクパク食べながら、テレビ
のくだらないバラエティー番組をぼうっと眺める。その頃、赤ん坊がどうして
いたのかは忘れてしまった。ママは煙草に火を点け、ときどきおでんの煮込み
具合を確かめた。テーブルの上にはびっしりと猫の置物があって、その間に猫
の毛が落ちていた。

(続きはこちらへ↓)
https://suiheisen2017.com/kang-hoju/3776/

……………………………………………………………………………………………

お読みいただき、どうもありがとうございました。

よろしければ、友人・知人のみなさまに、このニュースレターの存在を知らせ
ていただけましたら幸いです。

編集室 水平線(発行人=西 浩孝)
〒852-8065 長崎県長崎市横尾1丁目7-19
Website: https://suiheisen2017.jp/

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