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刊行予定

未来からの遺言 ある被爆者体験の伝記/シナリオ 被爆太郎伝説

伊藤明彦の仕事 1

著 者 伊藤明彦
ジャンル 原爆・戦争・歴史
刊行日 2024年11月末〜12月初旬
判 型 四六判並製カバー装
頁 数 356ページ
ISBN 978-4-909291-07-3
定価 未定

定価:(税込)

内容紹介
目次
著者略歴
 生涯で2000人を超える被爆者を訪問し、1000人以上の「声」を聞きとり録音した、稀有な人物の仕事を網羅する全6巻シリーズの第1巻。

 「この物語の主人公と、周辺の人々の本名をあかすことはできません。/その理由は、この文章を最後まで読んでくだされば、お判りいただけると思います。/いまから九年前収録され、ある場所に眠っている三巻の録音テープ。/このテープのなりたちをめぐる事実を、自分の記憶が正確なうちに書きとめておくために。/そしてもしできることなら、この文章を読んでくださるあなたにも、この録音テープをめぐるふしぎを、私といっしょに考えていただくために。/私はこの文章を書きました。」(『未来からの遺言』序文より)
 被爆者の体験を記録する作業に取り組んでいた著者は、長崎で被爆した吉野啓二さんの話に深い感銘を受ける一方で、それとは矛盾するある思いを抱いた。吉野さんの語りを、自分はどのように受けとめたらよいのだろうか——。
 被爆者という存在のありよう、原子爆弾と人間との関係の本質を問いかける『未来からの遺言』と、これをもとに創作された『シナリオ 被爆太郎伝説』との合本。

〈続刊〉
2『原子野の『ヨブ記』 かつて核戦争があった』
3『夏のことば ヒロシマ ナガサキ れくいえむ』
4『歌集 幾萬の黒こげのひと歩みゆく』
5『ヒロシマ ナガサキ 私たちは忘れない』
6『カセットテープ版 被爆を語る』
未来からの遺言
 出会い――集会場にて
 吉野啓二被爆を語る
  一日目――被爆
  二日目――姉さん
  三日目――クモの穴
 「原子爆弾の効果」――私の被爆者論
 暗転
  手紙
  「国連事務総長への報告」
  九州へ
 被爆太郎の誕生
 山峡の村で――死者を死せりというなかれ
 あとがき

被爆太郎伝説
 被爆太郎伝説
 『被爆を語る』寄贈先一覧

 編集者から読者へ(西 浩孝)
伊藤明彦(1936-2009)
元長崎放送記者。被爆者の「声」を聴き、伝えることに人生をかけた。
1960年、早稲田大学第一文学部卒業、就職。68年、ラジオ番組『被爆を語る』を企画・提案、初代担当者。70年、退職。71年、東京で「被爆者の声を記録する会」を結成。早朝・深夜のパート労働に従事しながら、79年までの8年間で全国21都府県の被爆者およそ2000人を訪問、半数には断られ、約1000人の「声」を聞きとり録音。これらをもとに、音声作品『被爆を語る』(オープンリール版/カセットテープ版)を制作、全国の資料館・図書館等へ寄贈(13か所/944か所)。2006年、被爆者284人が語った394話の肉声をつづって被爆の実相を時系列で再現した音声作品『ヒロシマ ナガサキ 私たちは忘れない』(CD9枚組、約8時間40分)を制作、複製764組を547の団体・施設・個人へ寄贈・贈呈。以上の作業はすべて自費でおこなった。晩年はビデオカメラにより、ふたたび被爆者を取材。08年、吉川英治文化賞受賞。主著『原子野の『ヨブ記』――かつて核戦争があった』。
ウェブサイト「被爆者の声」http://s20hibaku.g3.xrea.com/index.html

書評・紹介記事一覧